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苦手を克服する跳び箱一段作戦
爪切りやブラッシング、歯磨きなど、お手入れが苦手な飼い主さんの声をよく耳にします。飼い主としてはすぐにできて当たり前のようにイメージしているので、嫌がってもちょいちょい無理なことをしがちです。それでも最も親しい関係の飼い主ならば、できるまでやり切ることを繰り返すことで犬はあきらめてやらせてくれるようになるのです。しかし嫌がり威嚇してきたらやめるを繰り返すと、犬はどんどん強気になり我を通すようになっていきます。
そこで今回はその苦手ができるようになることを跳び箱の10段とし、その10段をいきなり跳ぼうとするのではなく、まずは最初の1段から慣らし自信をつけさせ、そして徐々に段を上げていくトレーニングのコツをお伝えします。
<爪切り編>
1段 →爪切りを見せて匂いを嗅がせる
2段 →爪切りを爪ではなく優しく体に触れてあげる
3段 →体から足、そして足先までゆっくり進み、爪にも軽く触れてあげる
4段 →爪切りで空切りしながら開閉音を聞かせる
5段 →開閉音を聞かせながら少し手足を持ってみる
6段 →さらに足を軽く握ったり保定してみる
7段 →そのまま爪切りを爪に触れながら切る真似をしてみせる
8段 →抵抗なさそうな爪の角を無理なく薄く切ってみる
9段 →できそうな爪を同じように薄く切って慣らしていく
10段 →すべての爪をおとなしく切らせてくれる
※このように特に最初の段ほど無理なく慣らすことを意識しています。同様にブラッシングと歯磨きの10段はこのようなイメージになります。
<ブラッシング編>
1段 →ブラシを見せて匂いを嗅がせる
2段 →ブラシのピンではなく背の平らな部分を体に触れてあげる
3段 →体から足、そして顔やしっぽにも軽く触れてあげる
4段 →ピンの部分を体に当ててみる
5段 →体を保定しながらいろんな場所にピンを当てていく
6段 →いきなり根本からではなく毛先部から少しづつピンを動かしてみる
7段 →けっして引っ張ることはせず、毛先から徐々に梳いていく
8段 →手足や顔付近を持って軽く梳かしていく
9段 →ゆっくりひっくり返しておなかを優しく梳かしていく
10段 →全身心地よくブラッシングさせてくれる
<歯磨き編>
1段 →飲み水に歯垢の浮きやすいサプリを入れ毎日飲ませてあげる
2段 →口内環境を考慮した犬が好みそうなシロップを舐めさせて興味を持たせる
3段 →歯ブラシを見せて匂いを嗅がせてあげる
4段 →歯ブラシにシロップをつけて舐めさせてあげる
5段 →舐めたりかじったり遊びながら歯ブラシを好きにさせてあげる
6段 →歯ブラシに夢中になっているところで唇付近を軽く触れてあげる
7段 →さらに唇をめくったり軽くつかんで保定の準備をしてあげる
8段 →軽く保定しながら歯ブラシを歯の表面に当てていく
9段 →嫌がらない部分を軽く歯ブラシしていく
10段 →シャカシャカと歯磨きをさせてくれる
いかがでしょう?どの施術も最初の1段目から少しづつ無理せずステップアップしていくイメージです。他にも慣らさせたいことがあればこのような階段をイメージしてトレーニングしてあげるとよいでしょう。ぜひお試しください。