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2022年4月1日 

急に噛みつくようになったシニア犬の心理と対策

トリミングサロンに若い頃から定期的に通っている子なのに、ある時から急に悪い子になってトリマーに噛みつくようになったという話をよく耳にします。それも8歳くらいのいわゆる犬のシニア期頃からです。犬の8歳といえば人で例えると50歳近い年齢なので、今まで言えなかった文句を言い出すような心の強さと頑固さが表れる年齢ともいえると思います。

主にどういう時に噛まれるかというとプードルのような抜けづらい犬種の足先(どちらかといえば前足が多い)をブラッシングする時ブラシに向かって、または手に向かって噛んできます。足先は特に毛量が多いので通常でも梳かしづらい箇所ですが、そのためもつれや毛玉ができやすく引っ掛かります。おそらく若い頃はまだ皮膚の張りもあり比較的痛みからは耐えられたのでしょう。しかし年齢とともに皮膚がたるみ引っ張りに耐えられず痛みを強く感じ始めたこともあると思われます。その痛みの原因となるのはブラッシング時の定番道具のスリッカー(針金状のピンが並んだブラシ)、さらにコーム(スチールやピアノ線などの細いピンの櫛)でがりがりと引っ張る梳かし方にあると思います。僕は若い頃先生にブラッシングで毛を抜いたら叱られました。その頃はドッグショーに出陳するプードルのブラッシングでしたが、スリッカーではなくピンブラシ(スリッカーに比べ長めのピンが弾力あるクッションについているブラシ)で優しくリズミカルにローリングしながら全身を梳かすのです。その後カット前にコームで梳かしますが、その時も引っ掛かった瞬間にコームが逃げるよう力を入れない持ち方を指導されました。なのでそのようにプロが犬への負担を極力軽減しながら行うブラッシングでは痛がったり噛みつくことはなく、むしろとても心地よくブラッシングを楽しんでいるように感じました。

 

しかし一般のペットではそのようなプロのお手入れはできず、ほぼ1か月放っておかれた状態でシャンプー前に梳かされる訳です。犬も痛がるしトリマーもなかなか梳けない毛に時間を考え力が入るのでしょう。

このような犬の痛みを生む負の連鎖を切るには、飼い主とトリマー双方の考えを変えてあげる必要があると思います。例えばこんな感じです。

<飼い主側>

▪犬に優しいブラッシングを覚える。特に足先などデリケートな箇所へはゆっくり時間を掛けて梳かしてあげる。

▪自分で時間が取れなければブラシだけでもプロにお願いしてみる。もしくはシャンプーやトリミングに出す期間を短くする。

<トリマー側>

 ▪無理にスリーカーやコームで引っ張ることはせず、スキバサミ等で毛量を減らしながらブラッシングしてあげる。

 ▪来店頻度を上げてもらえるよう早期来店のお得なコースを飼い主に提案する。

 

 いかがでしょう?日本にはプードルやプードル系ミックス犬が多いため毛もつれや毛玉になる子がたくさんいます。そして犬の寿命から考えると人の5倍以上の速度で加齢していきます。

愛おしい愛犬が生涯心地よく過ごしてもらいたい、、、それなら是非今回の話を参考にしてみてくださいね。

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