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社会性(心の扉)に関わる好奇心と恐怖心
僕は日頃犬の幼稚園とトリミングを営んでおりますが、そこで身近に感じる子犬の社会性トレーニングにおける心の扉について書いてみます。この心の扉は生まれて間もない子犬は開けっぴろげの全開状態です。それが成長に伴い少しづつ、いや人と比べるとかなり早い変化だと思います。その原因はたっぷりあった子犬の好奇心が年齢とともに減り始め、逆に周りを意識することで警戒や防御の気持ちが強くなる恐怖心が芽生えてくるのです。これは犬種によってもかなり差があると思われます。なんの科学的データもない僕の勝手な推測ですが、耳が立っている犬種と耳が垂れている犬種で大きく違うと感じています。例えば柴犬やポメラニアン、チワワなどの立ち耳犬種は、レトリバーやキャバリアのような垂れ耳犬種に比べ好奇心の下がりと恐怖心の上りがとても早く、そのことで犬との交わりがなかなかできず部屋分けしながら少しづつ距離を詰めてあげる子が多いようです。
好奇心と恐怖心は下の図のように閉まっていく感じです。
上図の矢印のように下がる好奇心と上がる恐怖心でどんどん心が閉まっていくイメージです。特に2か月くらいの月齢から親元を離れる寂しさと不安で恐怖心がグンと上がってくると思われます。しかしまだ2か月くらいであれば好奇心が高いので行動範囲を広げてあげることで様々な経験を積み恐怖心を減らしていくことができます。
このことはお子さんを幼稚園や保育園に通わせた経験のある方は想像できると思います。初めて園内に入った時の子供の反応や親が離れる時の分離不安と同じです。生まれた時から大家族で育った子供は人との接し方を自然と学びほとんど恐怖心が出てきません。しかし親以外誰にもに会ったことがなく、まして初めて他人と会った子供はたいてい固まって動けなくなり、また離れる親に不安で悲しくなって鳴きまくる感じ、、、これが仮に小学校入学時に初めて他人と会ったり親と離れることになったらどう思いますか?子供はかなりパニックになるでしょう。実は子犬を飼われる飼い主は多くのプロからこう助言をされます。「ワクチン終わるまでは外に出さないでください」と。たしかに子犬を病気感染から身を守るという意味では家で隔離するのは正論なのでしょう。しかし疑問はいくつかあります。その期間飼い主も外に出掛けず一緒に隔離してるの??それはなかなか無理でしょう、、、ワクチン接種すれば感染予防は大丈夫??これもあり得ないですよね。でも100%言えることは子犬の心の扉は年齢が進むと確実に閉まっていくことです。
これらのことはある程度年齢が進みしつけに悩む飼い主さんによく言われることです。「そんなこと誰も言ってくれないから知らなかった、、、」「もっと早く知っていればこの子のしつけももっと違ってたと思う、、、」
病気感染から守ることを重視するか、心の扉という社会性を意識するか、ここは飼い主の選択になると思います。ぜひ後悔しない子犬との関りをご判断ください。