年末の来客ストレスを減らす“吠える”予防術

年末年始は、親戚や友人が家に訪れる特別な季節です。
普段は穏やかなワンコでも、この時期だけ「ピンポンで急に吠える」「来客に過剰反応する」というお悩みはとても多くなります。

環境省の調査でも、犬の問題行動の約3〜4割は“恐怖や不安”が原因とされています。
来客という“普段とは違う刺激”は、ワンコにとって大きな負担になりやすいのです。

しかし、事前に正しいステップを踏めば、吠えは確実に軽減できます。
今日は、犬幸村が大切にしている「人間社会への適応力」「犬同士のルール」の視点から、来客ストレスを最小限にし、飼い主さんとワンコが穏やかに過ごせる方法をお伝えします。


目次


はじめに:年末は“吠え”が増えやすい季節

年末は、普段会わない人が家に来る機会が増えるため、ワンコにとって刺激の多い時期です。
急な来客・聞き慣れない声・独特のにおいなど、犬の世界では「未知のもの」が一度に押し寄せます。

その結果、ワンコは自分を守ろうとして吠えたり、落ち着かなくなったりすることがあります。

ですが、吠える理由は「性格」ではなく、経験と環境の影響です。
正しく準備すれば、吠えは大幅に減らせます。


なぜ来客時にワンコは吠えてしまうのか?

来客時に吠える理由は主に2つです。

  • ① 知らない人に対する恐怖・警戒
  • ② 自分の縄張りを守ろうとする本能

現代の家庭犬は、普段“他人との接触”が少ないため、外部刺激に弱くなりやすいのです。
これにより、来客が大きなストレスになり、吠えという行動が表れます。


補足:吠える行動には“縄張り意識”と“飼い主を守る本能”もある

犬が吠える理由の一つに、縄張りを守ろうとする本能があります。
犬は群れで生きてきた動物で、「外部から侵入するもの」に対して吠えて警告するのは自然な反応です。

また、愛情深いワンコほど、「大切な飼い主さんを守らなくては」という気持ちが強く働きます。

  • インターホンが鳴ると緊張する
  • 玄関や窓に向かって吠える
  • 飼い主さんの前に立ち、警戒姿勢をとる

これらの行動は“問題行動”ではなく、自然な犬の表現です。
だからこそ、叱るのではなく、恐怖を減らし、安心を積み重ねることが何より大切です。

吠えとは、犬の「今、怖い」「守りたい」というサイン。
その気持ちに寄り添いながら対策をしていくことで、来客時の吠えは確実に改善していきます。


① 人間社会への適応力 ―― “知らない人が怖い”を減らす

犬が吠える理由の多くは、決して攻撃的なのではなく、「怖いから」です。
敏感な子ほど、突然の来客や予測できない動きが恐怖につながります。

この恐怖心を減らすために大切なのは、段階的に慣らすこと。
犬幸村が大切にする「怖がらせずに慣らす」方法は、行動学的にも非常に効果があります。

年末は、少しずつ人慣れの経験を積む絶好のタイミングです。


② 犬同士のルール ―― 犬社会が教えてくれる心の安定

現代の日本では、犬同士が自然に交流できる場が少なくなっています。
しかし本来、犬は犬同士のやり取りから多くのルールを学びます。

  • 距離感の取り方
  • しつこさ・引き際
  • 遊び方のバランス
  • 相手を尊重する姿勢

犬同士での経験が豊富なワンコほど、外の刺激に強く、来客にも落ち着いて対応できます。

犬幸村では、先輩犬が後輩犬に自然にルールを教えられる環境を整え、遊びを通じて社会性を育んでいます。

家に帰ったあとの驚くほどの落ち着きは、この“学び”が背景にあります。


年末の来客に向けた“吠え予防”の実践ステップ

ステップ① においを先に共有して安心感をつくる

犬は視覚よりもにおいの情報を重視します。
来客予定のある人のにおいを先に嗅がせることで、初対面のストレスを大幅に減らせます。

  • 来客者のハンカチを事前にもらう
  • 玄関にその“においアイテム”を置く

これだけで、ワンコは来客に対して「完全な知らない人」ではなくなります。


ステップ② 逃げ場となる“安心ゾーン”を整える

来客に慣れていない子ほど、逃げられる場所が必要です。

  • 扉を開けたクレート
  • 毛布付きのベッド
  • 飼い主さんのにおいがついたクッション

「ここにいれば大丈夫」という場所があるだけで、吠えは減り、安心が生まれます。


ステップ③ 来客者に必ず伝える「3つの挨拶ルール」

来客者には以下を徹底してもらいましょう。

  1. 目を合わせない
  2. いきなり触らない
  3. 正面から近づかない

犬は正面からの視線や手を怖がります。
“無視するぐらい”がちょうどいい場合もあります。


ステップ④ 来客前の“発散タイム”で吠えを未然に防ぐ

最も効果的な吠え予防は、エネルギーの事前発散です。

  • 散歩を少し長めに
  • 知育トイで脳の刺激
  • 短時間の遊びで心身の発散

エネルギーが余っていると、些細な刺激にも吠えやすくなります。


飼い主の“心の平安”がワンコの落ち着きをつくる

ワンコは、飼い主さんの気持ちを敏感に読み取る生き物です。
こちらが緊張していれば、ワンコも「危険だ」と感じてしまいます。

逆に、飼い主さんが落ち着いていると、ワンコも安心します。
犬幸村のスローガンである“飼い主さんへ心の平安をお届けする”は、ワンコの行動にも直結する大切な考え方です。


まとめ:来客シーズンは“社会性を伸ばすチャンス”

来客はワンコにとって大きな刺激ですが、同時に社会性を伸ばすチャンスでもあります。

  • においで安心感をつくる
  • 安心できる逃げ場を作る
  • 来客者に挨拶ルールを徹底
  • 事前発散で吠えを減らす
  • 飼い主さんが心の平安を保つ
  • 吠えは“守りたい気持ち”のサインと理解する

これらを意識することで、年末の来客ストレスは大幅に減り、ワンコの心が安定していきます。

あなたとワンコが、今年の年末も穏やかで温かい時間を過ごせますように。
犬幸村はこれからも“心の平安”をお届けする存在であり続けます。

中島秀輔
ワンズアップ株式会社 代表取締役
犬の幼稚園&トリミング「犬幸村」 代表 中島秀輔

犬の幼稚園「犬幸村」園長 中島秀輔 1986年から約26年間、ペット関連の事業を行う。



横浜そごう、玉川高島屋、グランベリーモール、六本木ヒルズなど、首都圏の百貨店等に店舗を出店しているDOG&CAT JOKERにおいてトリマー兼店長兼店舗統括部長として店舗運営に携わる。



2000年に「ワンニャン幼稚園🄬」設立。業界初の子犬子猫にしつけを教えて販売するスタイルを発案し、JOKER各店にて子犬子猫生体販売の常識を変革する。



トリマーとして各種競技会に挑戦し、SUPER ZOO inラスベガス スーパーモデルドッグ部門3位入賞、JKCトリミング競技会東京ブロック Aクラス最優秀賞受賞。その後全国トリミング・家庭犬訓練競技会 デザインカットコンテスト、ジャペルペットコレクショントリミングコンテストにおいて審査員を務める。

ハンドラーとしてJKCハンドリング競技会全国大会Aクラス最優秀賞受賞。



これらの経験・知識を活かし独立。その後大小200を超えるセミナーも開催し、延べ3,000人以上のトリマーへの指導経験も持つ。



現在は、新潟の燕三条で犬の幼稚園&トリミング犬幸村(けんこうむら)をオープンさせ、延べ1000頭以上のワンちゃんや猫ちゃんへ、飼い主様へ「心の平安」を提供している。

保有資格: ・JKCハンドラーA級ライセンス ・JKCトリマーA級ライセンス ・愛玩動物飼養管理士1級

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