寒さ到来!冬に増える“怖がり行動”と社会性の守り方

目次

冬になると増える“怖がり行動”とは?

12月、空気が凛と冷え込み始めると、犬の行動には変化が表れます。

代表的な変化は次の通りです。

  • 歩いている人を急に気にし始める
  • 物音に敏感になり、耳をピンと立てて固まる
  • 散歩の最初の一歩がなかなか出ない
  • 他の犬を避けようとする
  • 飼い主さんの後ろに隠れようとする

これらは性格の問題ではありません。
むしろ“季節がつくる行動変化”と言えます。

寒さ・環境変化がワンコの心に与える影響

人間でも寒くなると肩がすくみ、身体がこわばりますよね。ワンコも同じで、冷えにより筋肉が緊張し、音や気配に対する反応が鋭くなります。

さらに冬には、ワンコの心に影響する“環境の変化”がいくつも重なります。

  • 日照時間が短くなり気持ちが沈みやすい
  • 散歩時間が短くなりエネルギー発散不足になる
  • 人がコートや帽子で大きく見える
  • 風の音・乾燥で音が鋭く聞こえる

ワンコは「昨日と違う環境」に敏感です。
そして不確かな情報はすべて“警戒対象”になります。

つまり、冬はワンコにとって「情報が少ない季節」。
その結果、怖がり行動が増えるのは自然なことなのです。

【視点①】人間社会への適応力を守るために

現代の日本では、犬は人間社会の中で生きていきます。
だからこそ
「人が苦手」「人に吠える」「怖くて固まる」
という状態は、ワンコ自身が一番つらいのです。

犬幸村のミッションの一つに、
「吠える噛むから飼主の挫折を防ぎ、犬の心と体の負担をゼロに。」
という理念があります。 これは私自身、犬への恐怖心による悲しい事故を経験したことが原点になっています。

冬には、以下のような“人への怖がり”が増えます。

  • マスクや帽子で顔が分かりにくい
  • コートで身体が大きく見える
  • 夜道が暗く、人影が不気味に見える

私たちが想像する以上に、ワンコは「見た目の変化」に敏感です。 冬の装いは、ワンコにとっては“未知の刺激”。 だからこそこの季節は、丁寧に「人に慣れる経験」を積む必要があります。

【視点②】犬社会のルールは犬からしか学べない

犬の社会は、犬同士の仕草・動き・間合いという“犬語”によって成立しています。
しかし現代の日本では、公園で自由に遊ばせる文化は薄れ、多くのワンコが犬同士の経験を十分に積めないまま成長しています。

ワンコが犬同士で学ぶべき大切なルールには、次のようなものがあります。

  • 甘噛みの力加減
  • 遊びに誘うときのサイン
  • 「やめて」の伝え方
  • 距離を縮めるときのスピード感

これは人間がどれだけ頑張っても教えられません。 犬が犬にしか教えられない世界です。

そして冬は運動量が低下しがちで、発散不足から

  • 吠える
  • 噛む
  • 飛びつく
  • 他の犬に過敏に反応する

といったトラブルが起きやすくなります。

だからこそ、冬こそ意識したいのが「犬同士の安全な交流」です。
犬幸村では、プロのスタッフが安全に見守りながら、犬同士が自然とルールを学べる場を提供しています。

冬に怖がりが増えるのは“科学的にも自然なこと”

冬は日照量が減り、「安心感を作るホルモン」であるセロトニンの分泌が低下すると言われています。 これは人間だけでなく、犬にも同様の傾向があると動物行動学の研究でも示されています。

また、米国コロラド州立大学の獣医学研究によれば、犬は気温変化によって警戒反応や心拍数が変動するという結果も報告されています(※要約)。

つまり冬の怖がり行動は、生理的にも必然の反応。 飼い主さんの育て方の問題ではありません。

ご家庭でできる冬の社会性サポート7つの習慣

① 玄関前で「一息つく時間」を作る

寒い日は体が緊張しているため、外に出る前にゆっくり落ち着く時間を作るだけで安心感が大きく変わります。

② 防寒は“心の安定”にもつながる

体が冷えていると警戒反応が高まりやすくなります。特に子犬・シニア犬は防寒対策を強めに。

③ 家の中で「脳と体を使う遊び」を増やす

発散不足を補うには、追いかけっこより「引っ張り遊び」「知育トイ」「におい探し」などが効果的です。

④ 1日5分の“犬同士の挨拶”でも効果絶大

長く遊ばせる必要はありません。短い交流でも十分に社会性維持に役立ちます。

⑤ 苦手が出ても「元に戻った」のではなく“揺らいでいるだけ”

社会性は階段のように積み重なります。時々揺らぐことは自然なことです。

⑥ 飼い主さんの声のトーンを“冬仕様”にする

外が静かな季節ほど、柔らかい声・ゆっくりした動きはワンコの心を安定させます。

⑦ 無理をさせない。引き返す勇気を持つ

「今日は調子が悪そうだな」と感じたら、散歩を短くするのも大切です。

飼い主の「心の平安」がワンコの安心をつくる

犬幸村のスローガンは
「犬と暮らす飼主へ“心の平安”を提供する。」

冬の怖がり行動が増える時期こそ、飼い主さんの気持ちが不安定になりやすい季節です。 しかし、その不安はワンコに伝わります。

だからこそ大切なのは、飼い主さん自身が安心できる環境を整えること。 その一つが犬の幼稚園というプロのサポートです。

最後に:この冬、あなたとワンコに起こる変化について

冬は確かに怖がり行動が増えます。 でもそれは「成長の前触れ」でもあります。

あなたのワンコは、この冬をきっかけにまた一つ大きく成長します。 その背中をそっと支える存在として、私たち犬幸村があります。

どうか、あなたとワンコにとって、この冬が「絆が深まる季節」になりますように。 そして困ったときは、いつでも私たちを頼ってください。

中島秀輔
ワンズアップ株式会社 代表取締役
犬の幼稚園&トリミング「犬幸村」 代表 中島秀輔

犬の幼稚園「犬幸村」園長 中島秀輔 1986年から約26年間、ペット関連の事業を行う。



横浜そごう、玉川高島屋、グランベリーモール、六本木ヒルズなど、首都圏の百貨店等に店舗を出店しているDOG&CAT JOKERにおいてトリマー兼店長兼店舗統括部長として店舗運営に携わる。



2000年に「ワンニャン幼稚園🄬」設立。業界初の子犬子猫にしつけを教えて販売するスタイルを発案し、JOKER各店にて子犬子猫生体販売の常識を変革する。



トリマーとして各種競技会に挑戦し、SUPER ZOO inラスベガス スーパーモデルドッグ部門3位入賞、JKCトリミング競技会東京ブロック Aクラス最優秀賞受賞。その後全国トリミング・家庭犬訓練競技会 デザインカットコンテスト、ジャペルペットコレクショントリミングコンテストにおいて審査員を務める。

ハンドラーとしてJKCハンドリング競技会全国大会Aクラス最優秀賞受賞。



これらの経験・知識を活かし独立。その後大小200を超えるセミナーも開催し、延べ3,000人以上のトリマーへの指導経験も持つ。



現在は、新潟の燕三条で犬の幼稚園&トリミング犬幸村(けんこうむら)をオープンさせ、延べ1000頭以上のワンちゃんや猫ちゃんへ、飼い主様へ「心の平安」を提供している。

保有資格: ・JKCハンドラーA級ライセンス ・JKCトリマーA級ライセンス ・愛玩動物飼養管理士1級

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