
目次
- 子犬の問題行動は「性格」ではなく「不足」から始まる
- 「性格がきついのかも…」と感じてしまう飼い主の心理
- 不足① 人間社会への適応力が足りていない
- 不足② 犬同士のルールを学ぶ機会がない
- 外部データが示す「社会化期」の重要性
- 発散と社会性が満たされた犬が家に帰ると起きる変化
- 情報に迷う時代だからこそ持ってほしい視点
- 犬幸村が社会性で最も大切にしていること
子犬の問題行動は「性格」ではなく「不足」から始まる
「落ち着きがない」「よく吠える」「甘噛みが激しい」。
こうした行動を前にして、「この子は性格的に難しいのかもしれない」と感じてしまう飼い主さんは少なくありません。
ですが、長年現場で多くの犬と飼い主さんに向き合ってきた中で、私ははっきりと感じています。
子犬の問題行動の多くは、性格ではなく「何かが足りていない状態」から始まっています。
人でも、運動不足や刺激不足が続けばイライラしたり、不安定になったりします。
犬も同じで、満たされない状態が続くと、そのサインが行動として表に出てくるのです。
私が特にお伝えしたいのは、「問題行動が出てから考える」のではなく、
「問題行動が出る前の状態に目を向けてほしい」ということです。
多くの飼い主さんは、吠えた・噛んだ・落ち着かない、という“結果”に目が向きます。
しかし犬の行動には、必ずその前段階があります。
- 十分に動けていない
- 安心できる経験が足りていない
- 学ぶ機会がなかった
この「足りていない状態」が積み重なった時、犬はようやく行動としてサインを出します。
問題行動とは、犬からのSOSメッセージなのです。
「性格がきついのかも…」と感じてしまう飼い主の心理
特に、愛犬のことを真剣に考え、情報を集めている飼い主さんほど、自分を責めがちです。
- 育て方を間違えたのではないか
- もっと厳しくすべきだったのか
- しつけが足りないのではないか
しかし、多くの場合、犬は「できない」のではなく、
「教わる機会がなかった」「経験する場がなかった」だけなのです。
ここを見誤ると、問題行動を直そうとするほど、犬の心に負担をかけてしまうことにもなりかねません。
不足① 人間社会への適応力が足りていない
今の日本で犬は、人間社会の中で生きていく存在です。
散歩、来客、動物病院、トリミング、外出先――犬にとって刺激は年々増えています。
人を怖がる、逆に飛びつく、吠えてしまう。
これらは「困った性格」ではなく、人との関わり方を学ぶ機会が足りなかった結果だと私は考えています。
人間社会への適応力とは、お利口にすることではありません。
人のそばにいても、犬自身が過度に緊張しなくて済む状態をつくることです。
- 人が近づいても体が固まらない
- 知らない音がしても逃げようとしない
- 触られても過剰に抵抗しない
こうした反応は、生まれ持った性格ではなく、
安心できた経験の積み重ねによって育まれます。
アメリカ獣医行動学会(AVSAB)でも、
「適切に管理された社会化は、ワクチン完了を待つよりも重要である」
と明言されています。
https://avsab.org/resources/position-statements/
不足② 犬同士のルールを学ぶ機会がない
もう一つ、大きな不足が犬同士の社会性です。
本来、犬は犬社会の中で遊びながら生き方を学びます。
- 噛み加減
- 距離感
- 我慢の仕方
- 遊びの終わらせ方
犬同士の関わりでしか学べないことは、想像以上に多くあります。
相手の表情や体の動き、声を出す前の気配を感じ取る力は、犬同士の経験でしか身につきません。
この感覚を知らないまま成犬になると、
人にも犬にも距離感が分からず、結果として問題行動につながりやすくなります。
外部データが示す「社会化期」の重要性
獣医学・行動学の分野では、生後3週〜14週頃を「社会化期」と呼びます。
この時期の経験が、その後の犬生に大きく影響するとされています。
多くの研究で共通しているのは、
問題行動は矯正よりも予防の方が圧倒的に負担が少ないという点です。
犬にとっても、飼い主さんにとっても、早い段階での社会性経験は未来への投資と言えるでしょう。
発散と社会性が満たされた犬が家に帰ると起きる変化
十分に遊び、学び、発散した犬は、家に帰ると驚くほど落ち着きます。
「今日は静かに寝ています」
「いつもより穏やかな表情です」
この“落ち着き”こそが、飼い主さんの心に平安をもたらします。
- 散歩が義務ではなく楽しみになる
- 外出時の不安が減る
- 犬を見る目が「心配」から「信頼」に変わる
情報に迷う時代だからこそ持ってほしい視点
本やYouTube、SNS。
今は情報が溢れ、何を信じればいいのかわからなくなる時代です。
真面目で優しい飼い主さんほど、
「もっと良い方法があるのでは」と悩み続けてしまいます。
だからこそ私は、
犬の心と、飼い主さんの心が同時に楽になる方法だけを伝えたいと考えています。
犬幸村が社会性で最も大切にしていること
犬幸村では、
・人間社会への適応力
・犬同士のルール
この二つを社会性の柱として向き合っています。
吠える・噛むといった行動の奥にある「不足」を見極め、
犬の心と体の負担を限りなくゼロに近づけること。
犬が落ち着けば、飼い主さんの心も落ち着く。
その積み重ねが、犬と楽しむ暮らしを長く続ける秘訣だと、私は信じています。
