
寒さが厳しくなる冬。お散歩の時間が短くなり、外出の回数も減りがちなこの季節は、ワンコにとって「発散不足」が起きやすい時期です。
実は、冬に増える吠え・落ち着きのなさ・甘噛み・イライラといった行動の多くは、性格の問題ではなくストレスの蓄積が原因であることが少なくありません。
私はこれまで長年、犬の幼稚園という現場で多くの飼い主さんと向き合ってきました。その中で確信していることがあります。
「きちんと発散できている犬ほど、穏やかで、人にも犬にも優しくなれる」という事実です。
今回は、犬幸村が大切にしている「人間社会への適応力」「犬同士のルール」という考え方を軸に、
冬でもご家庭で無理なくできる発散あそびを5つ、飼い主さん目線でお伝えします。
目次
- なぜ冬はワンコのストレスが溜まりやすいのか
- 発散=運動ではないという大切な視点
- 発散あそび① 嗅覚を使う「宝探しゲーム」
- 発散あそび② 引っ張りっこで心と体を同時に動かす
- 発散あそび③ 甘噛みを活かす「あまがみ遊び」
- 発散あそび④ 頭を使う知育トレーニング
- 発散あそび⑤ 室内でもできる擬似お散歩
なぜ冬はワンコのストレスが溜まりやすいのか
冬は寒さや天候の影響で、散歩の時間が短くなり、人や犬と触れ合う機会も減りがちです。
環境省や獣医行動学の分野でも、犬の問題行動の背景には運動不足・刺激不足・社会的交流不足が深く関わっていることが指摘されています。
特に冬は、
- 散歩時間の短縮
- 他犬や人と接する機会の減少
- 単調になりやすい生活リズム
これらが重なり、ワンコの中に行き場のないエネルギーが溜まっていきます。
その結果として現れるのが、「吠える」「落ち着かない」「甘噛みが強くなる」といった行動です。
発散=運動ではないという大切な視点
多くの飼い主さんが誤解しがちなのが、
「たくさん走らせれば発散できる」という考え方です。
もちろん体を動かすことは大切ですが、それだけでは不十分なケースも多くあります。
犬にとって本当の発散とは、
- 考えること
- 嗅ぐこと
- 噛むこと
- 駆け引きをすること
こうした本能的な欲求を満たすことが組み合わさって、初めて心が落ち着いていくのです。
発散あそび① 嗅覚を使う「宝探しゲーム」
犬の嗅覚は人の数万倍とも言われています。
この能力を使わないのは、ワンコにとって大きなストレスになります。
やり方はとても簡単です。
- おやつやフードをタオルや箱の中に隠す
- 「探していいよ」と声をかける
たった数分でも嗅覚をフルに使うことで、ワンコはしっかり満たされ、
遊び終わった後は驚くほど落ち着いた表情を見せてくれます。
発散あそび② 引っ張りっこで心と体を同時に動かす
引っ張りっこは、犬同士の遊びに近い要素を含んだ、とても優れた発散あそびです。
ポイントは、
- 必ず飼い主さんが主導権を持つこと
- 興奮しすぎたら一度遊びを止めること
ルールのある遊びを通して、ワンコは人との関係性を自然に学んでいきます。
発散あそび③ 甘噛みを活かす「あまがみ遊び」
甘噛みは止めさせるものだと思われがちですが、私は「正しく発散させるもの」だと考えるようになりました。
噛むこと自体は犬にとって自然な行動です。
問題なのは、そのエネルギーの出口がないことです。
そこでおすすめなのが、犬幸村が開発した「あまがみくん」を使った遊びです。
飼い主の手を遊び相手の犬にして遊ぶことで、
- じゃれ合い遊びで発散する
- 自分も噛まれることで噛み加減を学ぶ
- 飼い主の手は楽しいと理解する
という好循環が生まれます。
※動画で学ぶ「あまがみくん」の正しい遊び方
文章だけでは伝わりにくい部分は、ぜひ動画でご覧ください。
発散あそび④ 頭を使う知育トレーニング
「おすわり」「ふせ」などの基本動作も、やり方次第で立派な発散になります。
ポイントは、
- 短時間で終えること
- 成功体験を積ませること
考えることは、犬にとって大きなエネルギー消費になります。
終わった後の、満足そうな表情をぜひ見てあげてください。
発散あそび⑤ 室内でもできる擬似お散歩
お散歩に行けない日は、室内でリードを付けて歩くだけでも十分な刺激になります。
歩くスピードを変えたり、止まったりすることで、
ワンコは飼い主さんの動きをよく観察するようになります。
これは人間社会への適応力を育てる、とても良い練習にもなります。
しっかり発散したワンコが、家に帰って穏やかに過ごす姿は、
飼い主さんにとって何よりの「心の平安」になります。
冬こそ、発散の質を見直すチャンスです。
あなたとご愛犬の毎日が、少しでも穏やかで優しい時間になりますように。
