来客時に吠える犬をつくらないために、子犬期にやるべきこと

来客時に吠える犬を防ぐには子犬期の社会化がすべてです


目次


なぜ来客時に吠える犬が増えているのか

「ピンポーン!」のチャイムと同時に、激しく吠え続ける――
そんな悩みを抱える飼い主さん多いですよね…。

その原因は何か。

それはとてもシンプルです。
“人と関わる経験が圧倒的に減った”のが原因です。

現代は共働きが増え、子犬は日中ひとりで過ごす時間が長い。
来客も減り、知らない人と接する機会も少ない。

つまり犬にとって――
「知らない人=非日常で怖い存在」になってしまっているのです。


吠える原因は「性格」ではなく「経験不足」

よくこんな声を聞きます。

「うちの子は怖がりだから…」
「番犬気質なんだと思います」

ですが、私は断言します。

それは性格ではなく、“経験不足”です。

環境省も、適切な飼育環境の整備や知識の習得が、 問題行動の予防や人と動物の共生に重要であると示しています。
参考: 環境省「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」

子犬は本来、柔軟で順応性が高い生き物です。
しかし、経験が足りないと「知らない=怖い」と判断し、

  • 吠える
  • 威嚇する
  • 噛もうとする

という行動に繋がります。

つまり――
吠えは“問題行動”ではなく、“学習不足のサイン”なのです。


子犬期に絶対にやるべき3つのこと

① 人は怖くないと教える「ポジティブな来客体験」

子犬のうちにやるべき最も重要なことは、 「知らない人=良いことが起きる存在」と教えることです。

例えば、

  • 来客時におやつをもらう
  • 無理に触らず、優しく見守ってもらう
  • 落ち着いていられたら褒める

この積み重ねで、犬の認識は大きく変わります。

② 日常の中に“刺激”を増やす

来客だけでなく、

  • インターホンの音
  • 玄関の開閉音
  • 足音や話し声

こうした刺激にも慣らす必要があります。

静かすぎる環境は、むしろ犬を弱くします。

③ 甘噛みを止めない「正しい遊び」

実は、来客吠えと甘噛みは深く関係しています。

噛み加減を学べていない犬は、 興奮した時のコントロールができません。

だから私は、甘噛みを無理に止めるのではなく、 正しく遊びながら学ばせることを推奨しています。

そのために開発したのが、
あまがみくん®です。

これは「噛んでもいい相手」を作ることで、 犬のストレスを発散しながら学習を促します。


「犬同士の学び」が吠えを防ぐ理由

ここが最も重要なポイントです。

犬は犬からしか学べないことがあります。

特に、

  • 距離感
  • 空気の読み方
  • 興奮の抑え方

これらは人間が教えることはできません。

先輩犬に「それやりすぎだよ」と自然に止められることで、 犬は初めて学びます。

この経験がある犬は、

来客時も過剰に興奮せず、冷静に状況を判断できるようになります。

関連コラムはこちら:
社会性トレーニングは「吠え始めてから」では遅い


やってはいけないNG対応

多くの飼い主さんが、良かれと思って逆効果な対応をしています。

① 吠えたら叱る

これは最悪です。
犬は「来客+叱られる=さらに怖い」と学習します。

② 抱っこして守る

一見優しさですが、
「怖がっていい」と教えてしまう行動です。

③ 来客を避ける

経験を減らすほど、問題は悪化します。

「慣らす」ことから逃げてはいけません。


40年現場で見てきた“変わる犬”の共通点

私はこれまで何千頭という犬を見てきました。

その中で確信していることがあります。

犬は必ず変わります。

ただし条件があります。

それは――
「正しい経験を積ませること」

です。

特に子犬期は、一生を左右するゴールデンタイムです。

この時期に、

  • 人に慣れる
  • 犬に学ぶ
  • 刺激に触れる

これができた犬は、

来客に吠えないどころか、穏やかに共存できる犬になります。

逆にここを逃すと、後からの修正は何倍も大変になります。


まとめ

来客時に吠える犬をつくらないために必要なのは、 特別なテクニックではありません。

「正しいタイミングで、正しい経験をさせること」

これだけです。

そしてそれは、子犬の今しかできません。

もし今、少しでも不安があるなら――
「まだ間に合う今」を大切にしてください。

犬の未来は、飼い主さんの選択で変わります。

中島秀輔
ワンズアップ株式会社 代表取締役
犬の幼稚園&トリミング「犬幸村」 代表 中島秀輔

犬の幼稚園「犬幸村」園長 中島秀輔 1986年から約26年間、ペット関連の事業を行う。



横浜そごう、玉川高島屋、グランベリーモール、六本木ヒルズなど、首都圏の百貨店等に店舗を出店しているDOG&CAT JOKERにおいてトリマー兼店長兼店舗統括部長として店舗運営に携わる。



2000年に「ワンニャン幼稚園🄬」設立。業界初の子犬子猫にしつけを教えて販売するスタイルを発案し、JOKER各店にて子犬子猫生体販売の常識を変革する。



トリマーとして各種競技会に挑戦し、SUPER ZOO inラスベガス スーパーモデルドッグ部門3位入賞、JKCトリミング競技会東京ブロック Aクラス最優秀賞受賞。その後全国トリミング・家庭犬訓練競技会 デザインカットコンテスト、ジャペルペットコレクショントリミングコンテストにおいて審査員を務める。

ハンドラーとしてJKCハンドリング競技会全国大会Aクラス最優秀賞受賞。



これらの経験・知識を活かし独立。その後大小200を超えるセミナーも開催し、延べ3,000人以上のトリマーへの指導経験も持つ。



現在は、新潟の燕三条で犬の幼稚園&トリミング犬幸村(けんこうむら)をオープンさせ、延べ1000頭以上のワンちゃんや猫ちゃんへ、飼い主様へ「心の平安」を提供している。

保有資格: ・JKCハンドラーA級ライセンス ・JKCトリマーA級ライセンス ・愛玩動物飼養管理士1級
来客に落ち着いて挨拶する子犬と、安心して見守る飼い主、奥で遊びながら社会性を学ぶ子犬たちの温かいイラスト

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