換毛期の始まり?秋~冬に向けた皮膚と被毛の切り替えケア

目次

  1. 秋〜冬に抜け毛が増える理由とは?
  2. 皮膚・被毛が“切り替え”する時のサインを見逃さない
  3. 実践!秋冬に備えたグルーミング&ブラッシング習慣
  4. 抜け毛ケアだけじゃない!栄養・気候・環境も見直す
  5. こんなときは要注意 — 健康トラブルの可能性も
  6. まとめ:信頼できる習慣で「長く健康に一緒に暮らす」ために

はじめに — 秋冬への切り替え期、飼い主さんの不安

「涼しくなった」「夜が長くなった」と感じるこの季節。ご愛犬の毛が抜け始め、床にふわふわと毛が落ちているのを見ると、「このままで大丈夫かな…?」と不安になる飼い主さんは少なくありません。特に、今までそれほど抜け毛が気にならなかったワンコでも、季節の変わり目になると急に毛量が増えたり、被毛がふわふわからパサついたように見えたりすることがあります。

「情報が多すぎて、何を信じていいか分からない」という方にもぴったりのテーマとして、今回は “換毛期の始まり? 秋〜冬に向けた皮膚と被毛の切り替えケア” を、私自身の現場経験と共に、信頼できる外部データも交えてお伝えいたします。

秋〜冬に抜け毛が増える理由とは?

まず、なぜこの時期にワンコの毛が抜けやすくなるか、その仕組みから確認しておきましょう。

ワンコの被毛は、成長期・退行期・休止期・抜け落ちる期(エクソジェン期)という毛周期を持っています。毛量や抜け毛のタイミングには、昼の長さや気温の変化が深く関わっており、秋には「冬用の被毛に備える」という生理的スイッチが入るという研究もあります。

特に「ダブルコート(上毛+下毛構造)」を持つ犬種では、春・秋の季節の変わり目で特に抜け毛量が増える傾向があります。室内温度・照明が一定でも、自然界の昼長変化や環境ストレスなどが毛のサイクルに影響を与えるため、室内飼育の犬でも換毛期は訪れます。

つまり、このタイミングで「抜け毛が増えたな〜」と感じるのは自然な“被毛の切り替え期”の一部であり、慌てる必要はありません。ただし、そのまま何もしないと、抜け毛だけで終わらず「被毛が薄くなる/肌が乾燥する」などのトラブルにつながることがあります。

皮膚・被毛が“切り替え”する時のサインを見逃さない

ご愛犬の「被毛切り替えモード」にスムーズに移行するためには、日常の観察が鍵です。以下のようなサインが見られたら、次のケアを意識するタイミングです。

主なサイン

  • 抜け毛がいつもより増えて、床やソファに毛が目立つ
  • ブラッシングすると「固まり毛(特に下毛)」がまとまって抜ける
  • 被毛の手触りが「ふわふわ・やわらか」から「ぼそぼそ・乾いた感じ」に変化
  • 皮膚が少し乾燥している/ごわごわしている
  • 痒がる・掻く回数が増えたように見える

秋には夏の軽めの被毛が抜け、冬に備えた被毛に切り替わります。この時期、飼い主さんが少し丁寧に見守ることで、トラブルを防ぐことができます。

しっかり見ておきたい部位

  • 脇腹・お腹・首の下・尻尾の付け根:毛が抜けやすい部位
  • 耳の裏・足の付け根:毛玉や蒸れが起こりやすい場所
  • 体全体を撫でたときの「毛のざらつき/ごわつき」の変化

実践!秋冬に備えたグルーミング&ブラッシング習慣

観察だけで終わらせず、しっかり「切り替えケア」として実践に移しましょう。毎日の習慣が、抜け毛を減らし、被毛・皮膚の安心につながります。

ブラッシング・グルーミングのポイント

  • 抜け毛が増えてきたら、週に3〜4回・5〜10分のブラッシングを。
  • 被毛タイプに合わせたブラシ選び(例:ダブルコートにはアンダーコート用レイキ)。
  • 乾燥しやすい時期は「低刺激/保湿成分入り」シャンプーを使用。
  • 皮膚の状態(ざらつき・赤み)をブラッシング時にチェック。
  • ブラッシング後に掃除機や洗えるカバーで毛の再付着を防止。

ケア習慣例(週次プラン)

項目内容目的
ブラッシング(5〜10分)×3〜4回/週抜ける毛を早めに取り除く毛玉防止・肌刺激軽減
シャンプー+保湿ケア月1〜2回(肌状態で調整)乾燥・フケ・刺激軽減
被毛・皮膚チェックブラッシングの都度早期にトラブルを発見
寝床・居場所の毛掃除ブラッシング後に習慣化家全体の清潔化

抜け毛ケアだけじゃない!栄養・気候・環境も見直す

グルーミングだけでなく、「皮膚・被毛の切り替え期」には栄養や環境も重要です。

栄養面

皮膚・被毛の健康には、タンパク質・脂肪酸(特にオメガ3・6)・ミネラル(亜鉛など)が関わります。亜鉛不足は乾燥・脱毛傾向を引き起こすことも。脂肪酸豊富なフードを意識しましょう。

気候・環境・照明

室内温度・湿度・照明条件は被毛のサイクルに影響します。適度な湿度(40〜60%)を保ち、急な冷暖房切り替えを避けること。朝晩の気温差に注意し、落ち着いた生活リズムを保ちましょう。

生活/ストレスケア

ストレスや生活リズムの乱れも抜け毛に影響します。散歩・遊び・ふれあい時間を規則正しく保つことで、被毛も安定します。

こんなときは要注意 — 健康トラブルの可能性も

  • 抜け毛量が急激に増え、薄毛・皮膚の赤み・ただれがある
  • 被毛がぺたんこ・密度が極端に低い
  • 強い痒み・掻き壊し・体をこする動作が増えた
  • 食欲不振・元気低下・フケや体臭の増加
  • 毛がマット状・ボソボソしている

これらは「アレルギー性皮膚炎」「ホルモン異常」「寄生虫」など病的原因の可能性も。迷ったら早めに獣医師相談を。

まとめ:信頼できる習慣で「長く健康に一緒に暮らす」ために

秋〜冬にかけての被毛・皮膚の切り替え期は、慌てず、しかし丁寧に向き合えば安心です。

  • 抜け毛を「自然な切り替え」と理解する
  • 観察→グルーミング→栄養・環境の三段階でケアする
  • 異変を感じたら早めに相談する

丁寧なケアを継続している飼い主さんのワンコほど、被毛の質も肌の強さも違います。あなたの大切なワンコも、この秋冬期に向けた準備を始めてみてください。

“犬の心と体の負担をゼロに”を目指す私たち犬幸村の理念のもと、この季節が快適で安心の時間となることを願っています。

中島秀輔
ワンズアップ株式会社 代表取締役
犬の幼稚園&トリミング「犬幸村」 代表 中島秀輔

犬の幼稚園「犬幸村」園長 中島秀輔 1986年から約26年間、ペット関連の事業を行う。



横浜そごう、玉川高島屋、グランベリーモール、六本木ヒルズなど、首都圏の百貨店等に店舗を出店しているDOG&CAT JOKERにおいてトリマー兼店長兼店舗統括部長として店舗運営に携わる。



2000年に「ワンニャン幼稚園🄬」設立。業界初の子犬子猫にしつけを教えて販売するスタイルを発案し、JOKER各店にて子犬子猫生体販売の常識を変革する。



トリマーとして各種競技会に挑戦し、SUPER ZOO inラスベガス スーパーモデルドッグ部門3位入賞、JKCトリミング競技会東京ブロック Aクラス最優秀賞受賞。その後全国トリミング・家庭犬訓練競技会 デザインカットコンテスト、ジャペルペットコレクショントリミングコンテストにおいて審査員を務める。

ハンドラーとしてJKCハンドリング競技会全国大会Aクラス最優秀賞受賞。



これらの経験・知識を活かし独立。その後大小200を超えるセミナーも開催し、延べ3,000人以上のトリマーへの指導経験も持つ。



現在は、新潟の燕三条で犬の幼稚園&トリミング犬幸村(けんこうむら)をオープンさせ、延べ1000頭以上のワンちゃんや猫ちゃんへ、飼い主様へ「心の平安」を提供している。

保有資格: ・JKCハンドラーA級ライセンス ・JKCトリマーA級ライセンス ・愛玩動物飼養管理士1級

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